Sax Player 深町宏 オフィシャルサイト |
使用楽器一覧 |
楽器 | シリアルNo. | マウスピース | リード | リガチャー | |
Soprano | Selmer SuperAction80V |
566098 |
selmer S90 190 | バンドレン トラディショナル2.5 |
woodstone |
Alto | B.クランポンS1 | 25823 | selmer S90 190 | バンドレン トラディショナル2.5 |
Rovner Dark |
Alto | Selmer SuperAction80U |
660786 | |||
Tenor | Selmer SuperAction80U |
454213 | daveguardala MB model | rico jazz select unfiled 2 hard |
Selmer Aito Metal |
Tenor | Selmer SuperAction80U |
491045 | selmer S80 180 | Legere 2.5 Signature | Selmer |
Bariton | Selmer SuperAction80U |
694876 | selmer S90 190 | many different | Rovner Dark |
Bariton | Selmer Mark 6 |
131689 | rousseau |
ソプラノサックス |
3本の中では一番新しい楽器です。それまでは比較的安価なYAMAHAの中古を楽器店で購入し、吹いていましたが、深みのある音がほしくなり、5年ほど前に生徒に手放して(笑)、これを購入しました。 独特な抵抗感があり、楽器をコントロール出来ているかいないかは、ソプラノサックスでわかる気がします。アルトやテナーと同じ形のカーブドのソプラノもありますが、やはりストレートの音がよりソプラノらしく私は好きです。最近はネックに関しても、ストレートとカーブド2本選択して使えるようについてますが、そちらもストレートを使用しています。 少しの口の中の形や体に見事に反応するので、それだけに上手く反応している時は、なんて素晴らしい楽器だろうと至福の境地です。 もう10年ほどまえにライブ終了後にバーカウンター越しに聴いた、ケニーGのクリスマスアルバムにぶっ飛んでしまいました。ソプラノは、かくありき!そう言われている気がして、簡単なメロディなのにどうしてここまで歌いこむことができるのか、ソプラノサックスの偉大さを認識したのでした。 ミラクルズというクリスマスアルバムのウインターワンダーランドでした。楽譜にすると本当に単調なのにビブラートや強弱、音の長短、装飾音符でまるでフレーズが生きているかのように、訴えかけて来るのです。 それから大学在学中には興味もなかったフレーズの歌わせ方を研究する毎日です。それはハーモニーを知らないと出来ないことでもありました。和音の中の音なのか和音の外の音なのかで、歌いかたが違うのです。和音の外にある音の時は緊張しているので、強く。和音の中に入ったら、緊張が緩和されるので、弱く。簡単にいうとそのような法則があるんです。 緊張と緩和の心地よい連続となんだなぁと。どぎつく緊張させると音楽がどぎつくなりますので、心地よく緊張させて、緩和する。この緊張がとけた瞬間が音楽の醍醐味だと思いました。何も起こさなければ何も起きないので、心地よい緊張を起こすんです。 たとえばドミソの和音がなっているとき、メロディがラソファミレドでしたら、ラファレは和音以外の音ですから、ラソファミレドとそんな風に歌う。さらに装飾音をつけてラシラソファソファミレミレドってかんじです。まあこんなことをやりながら、サックスを歌わせることを練習していったわけです。 私の大好きなケニーGのアルバムの中で、先にあげたミラクルズ以外でよく歌っているなと思うのは、パステルという曲です。あの曲のソプラノのコントロールは特にすばらしいです。 しかしソプラノサックスは口の中のちょっとした形が物凄く反映します。音程に影響しやすいので、ピタッと形を一定にしてコントロールする必要があります。簡単そうに見えて実はとてもコントロールが難しい楽器です。 |
アルトサックス |
私のジャンルではおそらくクランポンを吹いているのは珍しいのではないかと思います。新しい生徒の楽器を予算を聞いて、紹介してあげるとき、以外と安い値段で買い手がつかず、いいものが手に入ります。 なぜかと聞いたら、中央ではあまり人気がないとのこと。クランポンの特徴は倍音構成にあると思います。セルマーに比べると音がまろやかで、どちらかというとクラシック向きです。音程の幅が狭い感じがします。それだけにごまかしがききにくいです。ですが、他の2本がセルマーなので、音色が際立って違うのがわかり、逆にインパクトを与えます。 以前はメインの楽器はアルトでした。ですから昔の私を知る人はテナーというよりアルト奏者というイメージが強いようです。テナーに変わってからはパーティなどで、たまに演奏することはあったのですが、ほとんどお蔵入りで生徒にしばらく貸していた時期があったほどです。 ですが、ライブに変化がほしくて、また引っ張り出したら、とても新鮮でCDシングルまで発表したしだいです。テレビコマーシャルでも放映された想い出の片隅に、ちんとんしゃん。 この楽器はうたに近いようなメロディーを演奏するときに威力を発揮してくれます。 音楽大学では、サックスを学ぶときはアルトサックスで受験し、練習曲も試験も課題曲も全てアルトです。サキソフォーン四重奏や吹奏楽で持ち替えはありますが、やはり主として練習するのはアルトです。クラシックの作品にもあります。ビゼーのアルルの女 ムスルグスキー作曲(モーリス・ラベル編曲)の展覧会の絵など代表的です。 サキソフォーン協奏曲(コンチェルト)もたくさんあります。アルトサックスを主にして、オーケストラがバックを務める感じと思っていただいたらいいです。グラズノフのコンチェルトはとても美しく、今でも良く聴いています。 でも最初にクラシックサックスの音を聴いた時はなんだこの音はと思いました。聴いたことない音で、やわらかい布でおおわれたような音で、ビブラートがずっとかかっているし、全く違う世界に入ったようで、音の概念を取り入れるに、結構時間がかかったことを記憶しています。 マルセルミュールというクラシックサックスの草分け的存在の方のレコードを聴いて、その感じを頭に入れました。今思うと弦楽器のようにイメージして演奏していたのではと思います。実際私もチェロのようにあれとレッスンで教わりましたので、ビブラートにしてもさざなみのように正確なものが求められます。 でもなんだかクラシックのビブラートは均質すぎて、表現力に乏しい感じがします。こんなこと言ったら怒られるかもしれないけど、もっと音色やビブラートに幅があっていいような気がします。私はどちらもやったのでわかりますが、所詮は誰かが書いた曲を厳格な奏法でなぞるということなので、非常に個性が発揮しにくいジャンルだと思います。 が、しかし本当に美しいクラシックサックスは本当にジャズやポップスで聴かれるサックスと同一のものかと思うくらい、素晴らしいものがあります。管楽器の中でも一番歌に近く、また弦楽器にも近いと思います。それくらい表現力の幅が大きい楽器だと思います。早いパッセージが可能だということと、ロングトーンが容易であること、ビブラートでニュアンスをつけやすいなど、多方面に優れた楽器です。 私はよくアマポーラというスペインの曲を演奏しますが、なんと歌物に適した楽器かと思います。ジャズの世界ではチャーリーパーカーに代表されるようなバップで聴かれるプレイに適しておりますが、私のアルトサックスの感覚はメロディに適している感じでとらえています。メロディからアドリブに入っていくとき、だんだんと歌から離れ、サックス特有のジャズィな歌い回しをするとき、なんと幅の広い楽器かなと思います。 つづく |
テナーサックス |
最近は3本持ち替えが当たり前になりましたが、やはり私のメインはテナーサックスです。教職を退く2年ほどまえに購入しましたので15年くらいのつきあいです。 実はアルトのセルマーを買おうかと、取り寄せまでしていただいたんですが、ブルーノートにサポートメンバーで来られた当時無名の新人テナーがめちゃくちゃかっこよくて、そういえば以前はアルトがメインだったにもかかわらず、聴いているのはテナーが多くて、ああ自分はテナーが好きなんだと再認識して3本の中から選びました。 練習のほとんどはテナーでやります。テナーの吹奏感を楽器が小さくなるにつれ、体の状態を(特に口の中)コンパクトにしていく感じです。 テナーサックスの音域は弦楽器のチェロみたいにずっと聴いていても疲れない音域です。 音域的に表情豊かなポジションでもあります。 同じサックスなのに、どうしてこんなにそれぞれキャラが違うのかと不思議に思います。それぞれ個性がはっきりしていて、訴えかけるものも違います。 3rdアルバムの6曲目スリーカラーズは、その3本を一曲の中で使った曲です。ほとんどテーマをくずすことなく3回メロディを演奏しますが、最初にソプラノ、次にアルト、最後にテナーです。最後に3本のアドリブソロが交錯します。もともと3本用に創った曲ではないですが、テーマの音域を変えることなく、演奏できます。だからソプラノは比較的楽器にとっては低いほうで演奏し、アルトにちょうど良い感じです。テナーでは結構高めの音のテーマとなります。ピアノでは同じ音でも女性の低い声と男性の高い声の違いみたいな感じです。アルバムをお持ちの方はもう一度是非聴いていただけば幸いです。 ある文献によると最初にアドルフサックスは、バスクラリネット(クラリネットの大きいやつです)の改良中にテナーサックスから創ったと読んだことがあります。なるほど、同じリードで双方吹くことができます。アドルフサックスは壮大なサックス族によるアンサンブルを思い立ち、それサクソルン族といいますが、たとえばフリューゲルホルンやユーフォニュームなどはそれに属します。音の特徴としては円錐管(管がぐるぐる巻かれたものです。ホルンを想像して下さい)の顕著な特徴ある音で、やわらかい包み込むような音です。 そのアドルフサックスの一番ポピュラーにしてヒットした楽器がサキソフォーンすなわちサックスと思っていただいて結構です。サックスは発明された楽器で、1841年ですから、とても楽器の歴史そのものが浅いんです。 サックスは基本的にB♭とE♭の調で成り立っています。B♭はシの♭ですので、シの半音下がった音です。ソプラノサックスとテナーサックスはサックスでドの音を吹くと実際はシの♭の音が出ます。 アルトサックスとバリトンサックスはドを吹くとE♭のミの半音下がった音がでるのです。 ドを吹くとドの音が出るメロディサックスと呼ばれるC管のサックスもあります。これは移調して楽譜を読む必要がないので、主に教会でオルガンと一緒に旋律を演奏したりとかそういう方面で浸透したそうです。ですが、今はほとんどありません。私も実物を見たことはありません。 練習のほとんどは私はテナーサックスで行います。大きい楽器で練習して、だんだん小さくしていくといのが、理想的です。だんだんと息の集めかたをコンパクトにしていく感じです。テナーをがっちり吹けるとアルトやソプラノは割りと吹きやすいです。息の必要な量が絶対的違いますし、私にとっては息の状態がわかりやすいメインの楽器です。 つづく |
バリトンサックス |
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