キイマン |
深町宏のHEART OF MINE ( タウン情報誌People1998年08月号掲載/1998年07月10日発売 ) |
「そんなに、好きならそれでやってみらんですか。」 安易な道を選ぼうとしていた私にとって、それはとても、ショッキングな言葉でした。 友人の紹介で初めて彼と出会ったその日の出来事です。 その時の事がこんなに自分自身を決定する事になろうとは、思いもしませんでした。 自分にとって、その時その時の一番ふさわしい言葉や出来事が、身の回りに通過する事は、今は良く理解できますが、その時は、そんな考えそのものが思考のシステムの中には存在していなかったのです。 「自分の好きな事で身をたてていきなさい。」 意識の奥深くにしっかりと刻印されました。 その頃私は、9年間の教職生活にピリオドをうったばかりで、友人の高橋氏の元でお世話になりながら、アルバイトで身を立てつつ音楽をやっておりました。とても面倒見の良い友人で、音楽の仕事の時はそれに行って来ていいといってくれる人でした。独立したばかりの私にとって、どれだけの支えになったか、感謝してもしきれない程です。高橋氏もドラマーで、コンテンポラリーなサウンドをかもしだす人です。 安定した生活から、自分で選んだとはいえ、いっきにアルバイト生活になったものですから、今までの月々の支払を、継続するだけでもそれはとても大変です。 ある日、久留米のコンビニに立ち寄った時にトライという就職情報紙をみつけました。 なにげなくみていますと、大川の方でコマーシャルやメディアに関する仕事の求人があるではないですか、西日本情報センターという会社で実はこの本の出版社なのですが、地元でもそういう会社があるのだなとひっかかっておりまして、ある時、車の中で友人の元田氏(彼は一緒にコーラスグループをやっている仲間で、現在、村中ともみと家具のコマーシャルにでている眼鏡のおじさん)にその会社の事をたずねましたら、そこの社長だったら知っているよという事で彼が引き合わせてくれたのです。 冒頭の言葉は、その時のことばです。現在の私の状況とかこれからの漠然とした思いを話した後の事です。その社長こそ西日本情報センターの龍社長なのです。かれもこれから、大きい仕事をひかえておりまして、「タウン情報さが」をたちあげる時でした。彼のその時の口癖の「夢も元気も伝染する」というのにとても勇気づけられ、身近に接した意欲バリバリの人は龍社長が初めてでしたので、それはそれはとても新鮮で、十分過ぎる程のエネルギーを頂く事ができました。 これを読んである皆さんにも人生のキイマンになる人がきっといらっしゃる事だとおもいますが、私にとって、それが龍社長なのです。又その時に知り合った、グラフィックデザイナーの横谷氏、西日本新聞の宮原氏、フリーライターの高木氏、私にとっては、とんでもないといった方達なのですが、いろいろな形で応援をしていただきました。その時の事が今でもとても役にたっています。この場をお借りして御礼を申しあげたいと思います。 現在私はプロのサキソフォーンプレイヤーとして、あちらこちらで活動をしております。その間、本当に様々な方達との出会いがありました。 さて、それからの話は次号に回したいとおもいます。実は、本号からこのページにて私の連載が始まります。様々な情報を書いていこうと思っておりますので、どうぞよろしく。 |
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