深呼吸しましょう
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People2000年01月号掲載/1999年12月10日発売 )
  12月、DECEMBER、師走、年の暮れ、クリスマス、おおみそか、御用納め、何かと忙しい感のあるこの月ですが、皆さんこの一年どんな一年でしたでしょうか。このエッセイも17回目となりました。

 先日「呼吸」に関する本を読んでいましたら、とても興味ある事が書いてありました。ちょっと自分の呼吸を意識してみて下さい。

 今あなたは口で呼吸をしていますか、鼻でしていますか、息を吸った時に膨らむのは、胸ですか、お腹ですか、少しの間覚えておいて下さい。
 横になって休んでいる時、1分間に7、6リットル以上もの空気をすいこんでいるそうです。体を起こした状態でその倍、ジョギングでは、52リットルだそうです。空気の中の20%の酸素を取り入れるために、たくさんの空気を吸い込み、それと同時にほこりやゴミも吸うわけですが、鼻の中のろか装置が比較的大きなほこりの粒子を肺に達する前に取り除きます。
 口でも呼吸できますが、口にはその濾過(ろか)装置がない。鼻から吸われた空気は鼻毛で大きなほこりを取られ、鼻の粘膜でより多くのほこりをとらえられ次第に湿気を帯びて温められます。冬の寒い日でもたった2、5センチ内側に入るだけで体温の高さまであたためられるそうです。鼻の中の鼻粘膜は肺の気管支に接続されるまでずっと続いているそうです。口での呼吸より不純物が体に入りにくいのがよくわかりますね。鼻腔式呼吸の方が口腔式呼吸よりはるかに素晴らしいということです。

 次に胸で呼吸をする(胸式呼吸)とお腹をつかう(腹式呼吸)の違いですが、腹式呼吸の方がはるかに効率がよいです。これは私も管楽器奏者ですから、それはよくわかります。一回に取り入れることの出来る酸素の量が格段に胸式呼吸より多い。という事は体のすみずみにまで血液にのせられた酸素がいきわたるのに、心臓が働いていますが、少ない酸素を何回も運ぶより、沢山の酸素を一度に運べるので心臓の負担が少ない。腹式呼吸とは肺の下にある横隔膜をつかった呼吸のことです。横隔膜を使った呼吸をするとお腹がふくらみます。

 最後にストレスを感じている時とリラックスしている時の呼吸パターンの違いです。
私達はストレスを感じると交感神経抹消が充血しアドレナリンが分泌され、お腹の筋肉が硬く緊張し、呼吸が短く早くなり、胸の方で息をする様になります。本能的に戦いを挑む(ファイト)か逃げる(フライト)のファイトオアフライト呼吸になります。逆にリラックスしている時はおなかの筋肉が弛緩しゆったりした深呼吸をする。リラックス呼吸になります。これは人類の長い進化の過程の中で本能的につちかわれたもので、脳の深層部の原子的な部分から起こるそうです。ではストレスを感じた時、緊張しっぱなしで、呼吸が乱れたままでいいのでしょうか。ところが大脳皮質はその原子的な脳を取り囲んでいて、原子的な脳から出される司令を無視する力を与えてくれるそうです。つまりストレスや不安を感じたときに意識的にそれを自覚してリラックスした呼吸パターンに変える事が可能だというわけです。

 以上まとめてみますと、まず、鼻で呼吸する鼻腔式呼吸、横隔膜を使う腹式呼吸、不安やストレスを感じた時でも呼吸を意識し、リラックス呼吸を心がける。
 何より素晴らしいのは以上の様な呼吸によって、リラックスした安定した精神が得られるという事です。さあ皆さんゆっくり深呼吸して、忙しい12月を乗り切りましょう。

 今回も最後まで読んで下さり有難うございます。来年も良い年であります様に。




最近気になったこと
( 2000年02月号/2000年01月10日発売 )
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People2000年02月号掲載/2000年01月10日発売 )

 ・血液から見えるもの(朝日新聞の10月11日の論壇より)
千葉赤十字センターの尾関由美氏の投稿より御本人の了解を得て資料にしています。
 献血ルームに来てくれる若い方達の血液検査の数値の異常が目立ち大変驚いているという事です。特に鉄分の欠乏を示す平均赤血球容積(MCV)の値が極端に低いそうです。正常な値は、89から99までだそうですが、のべ1300人の検査の中で89未満の人が約6割、85未満の人は約2割いるそうです。男女にその差はないらしいですが、男性にはあらわれにくいが、女性では、その内の3割が貧血という結論を得たそうです。

 執筆者の自宅近くのコンビニで若い人達の食品の買い方に注目してみると、カップめんと菓子パン、清涼飲料水と菓子パン、おにぎりとアイスクリームだけといった具合だそうです。実際私もそれは良く目にする光景ですが、体に必要な各種栄養素がとれていないとういうのが良くわかります。

 その他にも、男性では、20歳前後から肥満、高血圧、脂肪肝がみられ、男女をとわず、若い頃から、高脂血症もかなり多いのだそうです。将来的に国民の医療費の負担は増えるばかりでしょう。もっと声高に食の事を論じないと、と思ってしまいます。


 ・今年の就職内定率
今年高校、大学を卒業する方達の就職の内定率は高校で41%、九州だけでみると北海道の19%についで29%とワースト2位です。大学では平均64%、九州だけでみると46%とワースト1位です。
 社会の大きなうねりの中で若者達は一体どこへ行けば良いのでしょうか。街へ出て友達と時間をつぶし、お腹がすいては近くのコンビニで上記の様な食事をする、目的意識のある人は良いのでしょうが、ドロップアウトする人も出てくる事でしょう。社会全体で考えなくてはいけない事かもしれません。


 ・秋山宇宙特派員
TBSテレビから宇宙へとびたたれた、秋山豊寛特派員の事を覚えていらっしゃる方も多いとおもいます。彼は今、農業を営んであります。「宇宙と大地」岩波書店にその詳細が綴られているのですが、大変興味深い事が本当に大きなスケールのものさしで地球全体を見た視点から書いてあります。
 宇宙飛行のその様子、外から見た地球、報道のありかた、農業について、特に気を惹いたのは、アメリカの農業の精神です。日本は、もともと農耕民族、ヨーロッパは狩猟民族で食うか食われるかの精神があり、日本にもその資本主義の強固なやり方がかなりおしつけられて、それが今日の様な競争主義を産んでいる。ときいて真剣に納得していたのですが、実はアメリカ民主主義の基礎は農本主義にあるのだそうです。アメリカの自由を保障するものは、「完全な食糧の自給」にあるのだそうです。


 ・マザーテレサ
マザーテレサを取材した人の記事からですが、ある時これから死を迎える人に、ガンジス川の水を汲んで来てそれで体を清めて死を迎えさせたのを見たそうです。彼女が敬虔なクリスチャンであることは皆さんよく御存知だと思いますが、先の事はヒンズー教が行う事だそうです。その本人の至福の真実を宗教の垣根を越えて行う。彼女の貢献はそんないたるところにあるのですね。

旬歌集燈(しゅんかしゅうとう)
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年03月号掲載/2000年02月10日発売 )
  私も参加しているオムニバスアルバムCDの第2枚目です。昨年(1999年)12月後半に発売になりました。店頭では発売されておりません。私自身と関係の深い曲を解説を入れてご紹介いたします。

●1曲目 Yellow
ブラスセクションで参加。
●2曲目 ちょっとうつろなバースディ
ブラスセクションで参加。
●3曲目 Wavelass(ウェイブレス)
作曲 ソプラノサックス さざなみという意味の意味のオリジナル曲です。私の大好きな尊敬するケニーGのサウンドの様に聴いて頂ければとてもうれしい限りです。
●4曲目 アスティア
大学時代の親友でもあるパーカッション奏者の関家真一郎氏の作品です。作曲家のブリテンやブルガリアンポリフォニーをイメージして作曲したそうです。この曲はとても素晴らしい作品だと思います。
●5曲目 フリータイム
テナーサックスの間奏とエンディングを吹いています。
●6曲目 スナイパー
テナーサックス この曲のみいつもと違うマウスピースで吹いています。ボブバーグというフュージョン系サックス奏者を意識したフレイジングです。
●7曲目 白いシャツの少年
作曲 ソプラノサックス バックコーラス 歌ものでこういう形でCDになるのはオリジナルとしては初めてです。このCDの話が計画された時に「歌ものの曲を1曲書いてくれ」という事でできた曲です。とてもお気に入りの曲になりました。この白いシャツの少年というのは、歌詞を書いた(このCDのプロデューサーでもある)大島一樹氏が私をイメージして書いたと言ってくれました。
●8曲目 You Under My Image
ギタリスト田口悌二の作品です。美しいとても美しい。
●9曲目 美しき40代
●10曲目 ママのストーリー
ブラスセクションでの参加
●11曲目 キャーモンルンバ
ブラスセクションでの参加
●12曲目 イチョウ並木のコンチェルト
●13曲目 漂泊者
いつも私のライブで専属でオペレーターをしている光岡公一のボーカルです。ソプラノサックスでいつもとは違う調性から少しハズれた様なスタイルで吹いています。
●14曲目 Eve
ジャズバンドでボーカルにからむ様なそんなスタイルのテナーサックスです。


プロデュース/大島一樹(D’s) サウンドプロデュース/石橋序佳 ボーカル/北村尚志、堤田とも子、ヒーマン、他多数のミュージシャンが参加。
CDのご注文は下記のTEL番号にFAXで。税込みの2000円です。
深町宏 TEL&FAX 0942−53−7754




私のお気に入り
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年04月号掲載/2000年03月10日発売 )

 ジェット旅客機のコックピットから滑走路を見るシーンで始まり、とても幻想的な映像のバックに今まで聴いた事もないような、それはそれは、かっこいい曲にくぎづけになったのは私が中学時代の事です。もう20数年前の事になります。オランダのキャセイ航空のコマーシャルだったのですが、その曲をどうしても手に入れたくて、数月が過ぎましたが、ある時偶然聴いていたFMから同じ曲が流れ、「愛のテーマ」という曲名だけを頼りに自転車であちこちのレコード店を回り、やっと見つけた時のあのうれしさ、久留米の一番街のレコード店にありました。バリーホワイトとラブアンリミテッドオーケストラの演奏で、EPサイズのレコードがやっとのる卓上プレーヤーでそれはもう擦り切れる程何回も何回も聴きました。今でも大事にとってあります。時々といってもめったにないのですが、体中に電流でも走った様に曲を聴いて感動することがあります。

 次のその瞬間はやはり中学時代で、深夜番組で見たグレンミラー物語です。グレンミラーが「ムーンライトセレナーデ」を作曲しトランペット奏者がマウスピースで歯を打ってしまい、変わりにクラリネットでリード(メロディ)を演奏させた事からあのグレンミラーの独特なサウンドがうまれます。とても感動的なシーンです。

 次は高校生になってからですが、FMで ”音楽ってなんだ” という番組があって、その中で岡崎宏志という日本のジャズコーラスの草分け的存在の方の担当で、カウントベイシーの「キュート」が演奏されました。彼はサックス奏者でもあり、作編曲家でもあり、歌も歌われます。(そういえば私もそうです、シルバークローズハーモニーというジャズコーラスグループをもう10数年やってます。)
 4声で書かれているその曲を上から順番にサックスで演奏されました。一つ一つのメロディはバラバラなんだけどそれが一緒に演奏されると一つの美しいハーモニーが出来上がる。まるで魔法でも見るような瞬間でした。
 これをピアノで弾いてはいちいち納得して、ホウーとかヘエーとか何度も感激していました。ジャズのハーモニーに興味をもった出来事です。自宅にピアノやキーボードがある方は弾いてみて下さい。

 次は大学生になってからですが、ブリテンの「青少年の為の管弦楽入門」(パーセルの主題による変奏曲とフーガ)に感動してしまいました。曲の一番おわりに主題が現れ大3拍子になるところです。その後もテイク6グラミー賞の受賞式に感動したり、サックスでは、ソニーロリンズに脱帽し、マイケルブレッカーに舌をまき、ケニーGに涙して、かと思えば故武満徹氏の「弦楽の為のレクイエム」が急に聴きたくなったり、その後すぐに昔のラテンを聴いていいなと思ったりします。

 私のお気に入りは多岐に渡ってしまいます。最近しつこい程聴いているのはバーシアの「サードタイムラッキー」です。



食と心の関係A
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年05月号掲載/2000年04月10日発売 )

 1998年の11月号に食と心の関係をとりあげました。
マクガバンレポート(CIAなどの調査機関を利用した地球規模の食に関するレポートからの話しや、私が実際に耳にした農家の方達の実情などをとりあげ、いろいろとご意見をいただきました。

 今回は私が実際に教職時代に感じた事をお話します。
まず、食事のコントロールと感情のコントロールは密接な関係があるようです。好きな者は大量に食べて嫌いな物はほとんど受け付けない。極端に好き嫌いが多い子どもは感情のコントロールも苦手なようです。それから精製された砂糖がたくさんはいった飲料水を、多量にのむ子どもはいらついている事が多いようです。それから野菜をきちんと食べれるかという事もとても重要だと、ばくぜんとではありますが感じていました。

 興味があって当時そういう事に関して私なりに勉強したのですが、小学校の栄養士の方が書かれた本にそれを裏付ける様な部分があります。就学前の子ども達に食生活のアンケートをするのだそうです。そのアンケートを元に実際給食の時に一人一人をみると様々な経験からこの子は非行化するなとかいろいろな事がわかるそうです。

 最近では緊張している新一年生達の中にも、全然、担任の話しなど聞く耳を持たない子もいるそうです。栄養素のバランスという観点でみていくと大体でんぷん質や糖分の多い子たちだそうです。ここからは私も専門外なので、簡単にまとめます。

 これらはエネルギーとして消費される時にたくさんのビタミンB1を消費する。こんな子は酸性食品が好き。酸性食品が好きな子は共通して野菜が好きではない。体が酸性化しやすくなり、カルシウムが働き中和しようとする。カルシウムがどんどん出て行く。最初は筋肉や血液から出て行き、なくなってくると骨から出て行く。そうなると興奮状態を止めるという状態がなくなる。イライラや集中力と大いに関係があるのではと結んであります。

 学級崩壊、子どもの権利、プロフェッショナルとしての先生の在り方など沢山言われていますが、それ以前の問題として食によって心と体が整然と機能しているか、一番根源てきな問題がいつも置き去りにされているとおもいます。コンビニのまえでインスタント食品で間に合わせている光景が本当にふえました。だれかが教えないとと思います。食に関する重要性が声高に論じられればと思います。このページで少しでも共感していただき、興味をもっていただければ幸です。



豊かさを信じる
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年06月号掲載/2000年05月10日発売 )
 

 貧困を信じると争いが生まれます。世の中の争いの全ては貧困を信じる事からおきています。
という言葉がずっと気にかかっています。数年前からこの言葉を自分の中に採用して物事を見る様にしています。その言葉を基準に物事を考えていくと全ての争いの原因が理解出来そうな気がします。かって地球上の資源をめぐって多くの戦争が行われてきました。その利権を獲得するために、あるいは、その領土を獲得するために、、、。

 そのことにしか目がむかなくなると、自分だけの豊かさのために奪いあうという貧しい発想になるのは歴史状の事実です。軍需産業などその典型的な例でしょう。地雷の製造国と非製造国のマップを見られた方も多いとおもいますが、地雷の被害にあっているのは、非製造国です。沢山の武器をつくってあちこちに争いの種をまき戦争を仕掛けて行く、あるいは内戦をしかけていく。そして、その軍需産業で自国が潤う。しばらく武器を使わない時期があると、まるでそれを吐き出すかの様に使用されています。

 マスメディアにコントロールされている私達はその正当性を解かれ納得させられます。それでは逆に、今回のタイトルどうり全ての人が豊かになるだけの無限の可能性があると、全体が豊かさを信じた時に何が起きるのでしょうか、この資源はもうすぐなくなりそうだから、それでは違うエネルギーを開発しよう。

 太陽熱をもっと効率良くとか水からエネルギーをとるとか様々なアイデアがだされ、資源にかんしての争いは無くなることでしょう。重力さえコントロールして慣性の法則を利用し、最小の力で大きな運動を生む様なトンでもない発明がされるかも知れません。食糧にしてもそうです。

 この地球上では、もはや人口分の食糧をいきわたらせることは出来ないと思っている人が多いようですが、肉食をやめると家畜の餌として使用されている莫大な量の穀物が全ての人々に行き渡り今の人口の2倍以上はまかなえるという報告もあります。これは日常生活の私達においても同じことが言えるとおもいます。自分と同じ仕事をする人が現れ、自分の仕事がなくなると信じ敵意をいだいたり、潰しにかかったり、それでは豊かさを信じ、自分と全く同じ事を出来る人は、一人としていないという発想にたった時、自分の魅力を最大限に引き出す方法を考え出し、それぞれの魅力を持つ人が沢山生まれる事でしょう。そしてそのそれぞれに理解者が現れることだとおもいます。

 豊かを信じるという基本的な考えにたった時、多くの違った発想が豊かさに向かって動き出すと信じています。

                                                          




ライヴ
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年07月号掲載/2000年6月10日発売 )
 
 知合いのプロデューサーからの突然の紹介で、5月16日に元X-JAPANのTOSHIのライブを行いました。指定の日まで一週間となかったのですが、熊本から福岡への移動日という事で昼間があくので何かしないかと言うことでした。

 一度は頂点にのぼりつめた男の顔というのを純粋に見てみたいそんな気持ちからひきうけました。
JR羽犬塚駅まで迎えに行き、最初にあったその第一印象は普通のお兄さんといった感じでした。
火曜日の昼間でしたが60名ぐらいの方に来ていただき、盛況の内におわりました。マスコミで騒がれていたのは私も少しは知っておりましたが、一部マスコミの人の事をあれこれかきたてるといった類の雑誌は最初から信用していませんから、かえって先入観なしにお会い出来てよかったと思いました。
ライブではX-JAPANの頃の話しや現在の心境などが歌の合間に語られ、又高音のよく伸びた素敵な歌声でした。
ピープルの編集部より取材に来ていただきインタビューを行ってもらいましたので、ここに御紹介いたします。 
                                                   




「我」
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年08月号掲載/2000年07月10日発売 )
  あるところに「我」という人がいました。我はいつもあの人は嫌いだこの人も嫌いだと言っていました。回り回ってそれを聞いた人は、そっと離れていってしまいました。我はいつも貴方はこうあるべきだという言っていました。きゅうくつになったその人は離れていっていました。我は自分がつき合う人をあらかじめ決めていました。他の人がもっている素晴らしい知識や知恵に巡り合う事ができませんでした。

 我は自分にとって利益になると思った人とばかりつき合っていました。誰が自分の良き理解者になるか、誰が良き応援者になるか知る由もありませんでした。我はいない人の悪口ばかり言っていました。それを聞いた人は、自分もよそでは、いわれていると感じ悲しくなってそっと離れていきました。我は限られた考え方だけ採用していました。他の考え方を一切採用しなくなり、偏屈だとみんなから嫌われました。

 我はいつも不機嫌でした。回りの人はとても話しかけにくく、ついには誰も話しかけなくなりました。我は(ありがとう)の言葉がいえませんでした。人の意識の奥底にある「感謝されたい」という気持ちを満たす事が出来ずみんな離れて行きました。我は一人さびしくこの世を旅立つ時自分のしてきた事を振り返りました。今度、生まれて来るときは、、、、、。

私自身当てはまる部分も多いのですが、自分を振り返るためにも書きました。
それでは、又来月お会いしましょう。

           


夏だ!ラテンだ!
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年09月号掲載/2000年08月10日発売 )

  メガヒットを世に出し続けた、小室氏が言ってありましたが、オルタネイティブである事、七変化することとでも言いましょうか。聴き手によって様々に変化する音楽、と彼は言ってありました。
変化のある音楽、いろんな要素をもつ事、モデルさんもいろんな表情を持ち合わせた人がいいと言われます。

どうも私は飽きっぽくて一つの事を延々とやっていられない性質です。だからライブのプログラムを考えるときも、クラシックの作品からポップスから、ラテンからファンクから民謡からと幅広くなってしまって結果的には喜んでいただいているみたいです。飽きやすい性格がかえって変化をもたらしていいのかもしれません。

最近、変化を求めたがっている自分があって、何なのかなと思います。サソリ座の私の特徴とよく書いてありますが、何かを変えたいです。

そんな中一つの変化があります。
創刊2号目より、今回で57回目のハートオブマインになりましたが、毎回、いろんなテーマについて書かせていただきました。ピープルも来月号よりリニューアルオープンということで、この形でのエッセイはこの号で最後となります。とは言っても深町宏のコーナーは続きますので、何かが変わった次号もお楽しみに!







偶然の一致(2)
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年10月号掲載/2000年09月10日発売 )

  スペシャリストよりゼネラリストへという言葉が今お気に入りです。単能工より多能工ということですが、高塚猛氏の本の中でいわれております。一つの顔だけでなく、ある時は何々又ある時はというやつでしょう。

音楽の世界でも、ビッグネームの方達は多才です。メインとなる歌あるいは楽器は言うまでもなく、作詞や作曲をこなし、タレントとして活躍し、洞察の深い考えを持っていらっしゃる方は多いです。

やはりビッグな人にはビッグなだけの理由があります。今自分の立っている場所を深く掘れという言葉がありますが、一つのことを深くやると他の部分にも精通してくるということでしょう。

昔はスペシャリストだけで十分良かったと思いますが、情報も多く早いスピードで伝達され、物があふれ、価値の基準が様々になった時代の今にはそぐわないのかもしれません。ゼネラリストかっこいい響きですね。









ちょっと早いクリスマスソング
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年11月号掲載/2000年10月10日発売 )

  ワクワクすることやドキドキすることで生きていけたら素晴らしいと思います。
でも往々にして会社では利益を上げるための、人減らしに代表されるように現場とはかけはなれたところでの、人の気持ちを無視した政策や運営がまかり通っていると思います。

音楽の世界にもあります。静かに聴かなければいけないコンサートホールの聴衆の状態の中で、得意満面にこの音楽を理解しなさいといわんばかりに独自の世界感で演奏されると、悲しくなってしまいます。
ストリートで聴衆をひきつける若者の方がよほどすごいです。

クリエーターと(創る側)とユーザー(受ける側)で分類するとしたら、ユーザー側が本当に本当にワクワクしたりドキドキしてそのことに関わることができる事、そのことをクリエーター側はいつも意識しておくことが大事だと思っています。難しい課題ですが、大切なことですよね!






11月18・19日は深町宅へ
深町宏のHEART OF MINE
( タウン情報誌People 2000年12月号掲載/2000年11月10日発売 )

  以外と難しいのは自分との約束です。自分に約束してそれを守ることですが、ついつい甘くなります。なんでもいきなりは難しいので、必ず出来そうな簡単なことから始めます。

あるセミナーでそれを教えていただいて、朝の練習を誓ったことはとても有意義でした。習慣付いたことは大きな宝です。
有名なあの言葉を思い出します。志が変われば行動が変わる、
行動―習慣、習慣―人格、人格―未来が変わる。

今、誓っているのは、ビールを飲まない!間食をしない!
自転車に乗って運動をする!ネガティブなことを口にしない!です。

否定的なことを言わないというのは、すぐに簡単に始められます。
相手に与える印象も違いますし、場が重くなりません。
簡単に出来そうな事から初めて、自分に勝ち癖をつけるとでも
言うのでしょうか。以外と楽しいです。





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