Sax Player 深町宏 オフィシャルサイト


深町宏 4thアルバム  Harlem Nocturne

 Gt 吉田次郎  Pf アンディ・エズリン Sx 深町宏 Bs カール・カーター Ds ジーン・レイク
アレンジ・プロデュース 吉田次郎




1、ナイト・クルーズ



 
原曲は2ndアルバムの”ディライト”です。「この曲は心地良く、クルージング中の船から、ゆらゆら揺れる光を眺めているようだ・・・」と吉田次郎氏に命名していただきました。


 ’ニュー・ジャック・スウィング’という名のリズムで呼ばれます。構成はテーマとサビの2つから出来ていますが、ギターのオクターブ奏法のかっこいいイントロからサックスによるテーマ。アドリブはサックス、そしてギターに続きます。


 ギターサウンドがとてもスパイシーで、この曲をゴージャスに彩っています。


2、マンハッタン・ブリーズ

 これも深町オリジナルで、1stアルバムから”ブリーズ”。マンハッタンを吹き抜けるような、さわやかな風のイメージです。この曲を録音をした後、スタジオ・オーナーでエンジニアであるクヌープ氏が運転する車で、吉田氏と3人で聴きながら帰りました。


 対岸にニュー・ジャージーが見えるハドソン・リバーを横目に、摩天楼を抜けて行くハイウェイでこの曲が流れた時、全員が歓声を上げました。まるで、ニューヨークのラジオを聴いているみたいでした。マンハッタンと音楽がひとつになった、あの情景を今でもはっきり覚えています。


 ファースト・ボサノバです。ソプラノサックス・テーマとアドリブの後、アコースティックギターのメロディアスなソロ、そしてアンディ・エズリンの軽快なピアノソロ、1stアルバム後半のフレーズをそのまま、ソプラノとテナーサックスで多重録音しました。全辺に渡って、心地よい風が吹き続ける曲になりました。



3、ハーレム・ノクターン


 
レコーディングをすると決まった時、「”ハーレム・ノクターン”を入れたい。」と私から言いました。この曲はメロディが大変美しく、印象強い。そして楽曲の構成も、完成度も高い。しかし、サム・テイラーの演奏があまりにも知られています。ステージで自分なりに表現していましたが、吉田氏の力を借りて、固定しているイメージを払拭したいと強く望みました。


ご存知の曲との違いに、びっくりされる方も多いと思います。斬新なアレンジをしていただきました。どっしりと落ち着いたファンクのビートで、まさに知的に洗練されたという感じです。サックステーマそしてアドリブの後、ピアノアドリブソロ、サビからを再びサックスが受け持ちます。テーマのハーモニーとアドリブのハーモニーの進み方は違うのですが、まったく違和感がありません。アレンジの素晴らしさで、曲はこんなにも変わるのかと思います。


4、セイ・イット


 ジョン・コルトレーンのアルバム”バラード”の一曲目としてあまりにも有名です。選曲の打ち合わせを福岡のホテルで行い、吉田氏が2時間ほど色々なアイデアをお話され、お持ちになったたくさんの譜面から、これはどうだ、こちらはどうかな、と言われた中に入っていました。


 正直言ってコルトレーンの名演奏があるので、同じサックス奏者としてはうかつに吹けないのです。しかし、「ソプラノサックスでいつもの歌い方をすれば、深町さんのオリジナリティあふれる作品が出来る」と力づけていただきました。 私は感動して、この日から3日間寝込んでしまいました。マジです。


 聴いてのとおり、淡々とアコースティックギターがアルペジオを刻むなか、ソプラノサックスのほとんどストレートと言えるテーマ、そしてアンディのフェンダー・ローズ(エレクトリックピアノです)によるテーマ演奏。


 この曲は、アコースティックギターとフェンダー・ローズとソプラノサックスだけ、が最初から変わらない吉田氏のアイデアでした。このように切り口が違うと、別の曲に聴こえるほどです。アルバムの中で、私も大好きな曲です。もっと話し、もっと語り合わないとお互いにわかりあえないよ、というタイトルです。


5、ハッピネス


 
いつも心から願っている〜私の音楽を楽しんでいただきたい〜の思いを託した大切な曲であり、私がアルバムを発表し、世に問おうと決心した1stアルバムの一曲目”ハッピー”です。私が元々つけていたハーモニーに、手を加えていただきました。


 サックステーマの後、ファンキーなピアノソロ、ディストーションの利いたロックを思わせるような新鮮なギターソロ、そして曲終盤に、ジーン・レークのドラムソロを聴くことが出来ます。物凄いテクニックふんだんですが、聴きやすい、かっこいいノリのいい曲になりました。レコーディングが終わったモニタールームで、メンバー全員が楽しそうに踊っている姿が大変嬉しく、私までハッピーになりました。


6、ウィブ・オンリー・ジャスト・ビギャン


 カーペンターズの有名なナンバーです。
このタイトルが示すように、〜ニューヨークのサウンドに触れ、そして新しく始まる〜吉田氏から私へ、そして私から皆様へのメッセージを込めた一曲です。


 心地よいボサノバのリズムに乗せて、ソプラノサックスでメロディを奏でます。思わず歌詞を口ずさみたくなるような、美しいメロディのアコースティックギターソロ、軽やかなピアノソロと続きます。再びテーマに戻ったあと、静かに熱くこの曲を閉じます。


7、クローズ・ユア・アイズ


 1stアルバムから、深町オリジナルの4曲目です。「3枚のアルバムを何度も聴いたよ。マンハッタンの夜景に合う曲だね。」と選んでいただきました。ギターによる新しいイントロがつきました。そして、エンディングにも同じメロディが来ます。そうすることでテーマが引き立ち、全体の統一性が図られました。


 テナーサックスによるテーマの後、ピアノソロ、再びロングトーンを基調としたサックスのアドリブが進行します。カール・カーターのベースが心地よいグルーブでこの曲をしっかり支えてくれます。まさに必聴ものです。


8、セント・トーマス


 
サックスの大御所、ソニー・ロリンズのオリジナル・ナンバーです。彼のお母さんがカリブ海の出身だったと知ると、この曲のイメージもいっそう深まります。ジャズの名盤の一枚に挙げられるほど、広く愛されているメロデイです。


 この曲に何と4分の5拍子と4分の4拍子が交互に繰り返されるという、とてもトリッキーなアレンジをほどこしていただきました。難しく聴こえそうでしたが、全くそんなことを感じさせない、小粋な感覚のリラックスした仕上がりになっています。有名なジャズのスタンダードが、新たに生まれ変わりました。


9、ミューズ


 深町オリジナルの5曲目、3rdアルバムから”ビーナス” です。
ギリシア・ローマ神話で、ミューズが「音楽など知性をつかさどる女神」、ビーナスは「愛と美の女神」を意味します。ファンクのビートでアレンジされ、リズミックなサビのテーマとメロディアスなテーマから出来ています。ピアノ・ソロの後、再びテーマ、ギターソロとサックスソロの掛け合いの後、短いドラムソロをフューチャーしてエンディングを迎えます。


10、ダニー・ボーイ


 
ギター、ピアノ、テナーサックスという編成なのに、まるで壮大なオーケストレーションを聴いているように感じる曲です。レコーディング中、吉田氏が弾く、とてもシンプルなギターのアルペジオがあまりに美しく、涙がこぼれてしまいました。そして私がサックスを録り終え、モニタールームにいるクヌープ氏が胸に手を当て、目を閉じている姿を見た時、この曲の持つ深さを感じました。原曲は北アイルランドに伝わる民謡で、戦場に子どもを送る親の気持ちをつづった歌詞だそうです。


”ダニー・ボーイ”で、静かに終演を迎えます。




皆様がこのアルバムを末永くお聴き下さるよう、
心より願っております。 
                              深町宏


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4thアルバム Harlem Nocturne
レコーディング メンバー
吉田次郎(ギター)
5歳でピアノ、6歳でクラシックギターを始め15歳の時にジョン・コルトレーンを聴きジャズに興味を持つ。18歳で上京し、スタジオ・ミュージシャンとしてプロ活動を始める。その後第一線で活躍していたが1981年新宿でマイルス・デイヴィスを聴く事が転機になり、1983年渡米。翌年バークリー音楽院に入学。卒業後は同学院の講師を務めた。

90年からニューヨークに居を構えて本格的な音楽活動を始める。オリバー・レイクやフィリス・ハイマンといったコアなジャズからジョー・サンプル、マイケル・フランクス、リッキー・リー・ジョーンズ、セルジオ・メンデス、フィービー・スノウといったポップ・アーティストのツアー・サポートまで幅広く活動している。

ジャズギタリストとしては自らのグループ“ニューサウンド・ワークショップ”を主宰し、実験的な音楽にも挑戦するなど芸術家としての真摯な音楽活動も続けている。プロデューサーとしてはカルロス・ジョビンへのトリビュート作「エアーズ・トゥ・ジョビン」(BMGビクター)でアストラッド・ジルベルトを起用したり、ニューヨーク・ヴォイセスとマンハッタン・トランスファーのジャニス・シーゲルを共演させたプロジェクト「トリビュート・トゥ・カーペンターズ」(キング)を完成させるなどその幅広い人脈とアメリカの音楽業界に精通した活動ぶりで、在米日本人アーティストとしては異色な才能を発揮している。

2000年、キングからポリスターレコードに移籍し、インスト・アルバムとしては大ヒットになった「イン・マイ・ライフ」を発表。世界的に有名なギターメーカー“タカミネ”よりJIRO YOSHIDAシグネイチャーモデルが限定30本で発売される。

2001年、移籍後2作目「禁じられた遊び」を発表、又彼のファースト・アルバム「マイ・ビーティング・ハート」(新しくエディ・ゴメスとのデュオを含めた)も再発する。モントリオールジャズフェスティバル、JVCジャズフェスティバル等内外のメジャーなジャズフェスに出演。

2002年、自ら7作目となる「ミセス・ロビンソン」発表。自身の全国ツアーは大好評を博す。Mt・FUJIジャズフェスティバル。モントリオールジャズフェスティバル等やレコーディング、コンサートと大活躍。またギタリストのバイブルと呼ばれる雑誌「アコースティック・ギター・マガジン」に於いて“名手の軌跡”と題して特集された。

2003年2月10日、NHKの人気番組「公園通りで会いましょう」にグッチ・裕三氏のデイリーゲストとして出演。約一時間に及ぶトークや演奏はお茶の間にもおおいに知名度が広がった。
5月、国際連合ニューヨーク本部から日本人としては2人目の国連WAFUNIF親善大使に任命される。7月7日には国連本部内オーディトリアムに於き任命式と記念コンサートが開催された。日本総領事を含む24カ国のミッションが多数参加し大盛会に終わった。

2003年10月20-24日、NHK人気番組「公園通りで会いましょう」のウイークリーホストを勤め、1週間に及び多彩なゲスト(八代亜紀、三宅裕司、他)と伴に吉田次郎ワールドを繰り広げさらに彼の才能がお茶の間に浸透した。

ナイロン弦、スチール弦のアコースティックギターやエレクトリックギター等の、あらゆる種類のギターを使ってクラシックからヒップ・ホップまで様々な奏法を使った彼のステージは、エンターテイメント溢れたもので、ジャズに関心の無い人達をも惹きつけて離さない魅力を持っている。今後ますます世界中で注目されるアーティストになるであろう。
カール・カーター(ベース)
1964年コネチカット州ブリッジポート生れ。1983年にバークリー音楽院に入学し、在学中よりその才能を認められ、フィル・ウィルソン、ゲイリー・バートンらと共演、卒業後、活動の拠点をニューヨークに移し、チック・コリア、ディジー・ガレスピー、ステップス・アヘッドのツアー・メンバーとして参加、その活動はジャズだけでなく、R&B、ファンク、ヒップ・ホップ系ミュージシャンとも幅広くセッションを重ねてきた。

ホイットニー・ヒューストン、ネビル・ブラザース、ミシェル・ンディガチェロ、ブライアン・マクナイト、ドナルド・フェイゲン、ウィル・ダウニング等と交流を深め、ツアーやレコーディングに参加している。センスあふれるビート感と驚異的なテクニックはアメリカ音楽界の注目の的である。21世紀に大きくブレイクするエレクトリック・ベーシストのひとりであることは間違いないだろう。
アンディ・エズリン(ピアノ)
今、ニューヨーク ジャズ・シーンで最も活躍する若手ピアニスト。マイアミ大学でジャズ理論とピアノを学び、卒業後ボストンでプロ活動を始める。幅広い音楽を身につけたエズリンはソロ、デュオ、そしてジャズトリオからオーケストラまで数多くのグループで活躍している。

ロイ・ヘインズ、エディ・ゴメス、ジョージ・ベンソン、リッキー・リー・ジョーンズ、ジョー・ロックなどジャズからポップスにいたる幅広いジャンルの一流アーティストのレコーディングやツアーサポートで多忙である。近年はニューヨーク・ボイセスのピアニストとして司令塔的存在であり、たびたび来日し、リリカルでダイナミックな演奏を披露した。

先頃、リニューアルされ再発売した吉田次郎の“マイ・ビーティング・ハート”(ポリスター)や“月光価千金”(キング)に参加しているほか、リーダー作品にはJ-POPを代表するアーティストである、井上陽水や山下達郎などの楽曲をおしゃれなジャズにアレンジし、演奏した10枚のアルバム(M&I)がある。最新リーダーアルバムは、昨年春に発売された“アンド・アイ・ラブ・ハー”(M&I)。